きのこ通信
きのこ通信 新シリーズ第2弾
きのこ応援隊 隊長まえたです。
さて、先月からスタートした新企画。北村きのこ園のきのこづくり生産工程とともに生産に携わるスタッフを各分野ごとにクローズアップし、ご紹介する第2弾です。
エリンギィは約11の工程を経て市場へ出荷されます。
1 原材料(おが粉、ヌカ、ふすま、水)を混ぜる
2 調整(水分量をみながら撹拌)
③ 詰込み(調整した培地を充填)
④ 殺菌
5 接種(おが種菌を加えていく)
6 培養(培養室で約35日ほどかけ菌糸を伸ばしていく)
7 菌かき(菌糸の一部を掻き取り、酸素を与える)
8 芽だし(湿度と室温が徹底されている部屋で成長させる)
9 生育(湿度と温度をかえ、さらに成長させる)
10収穫(選別して、一つ一つ手で収穫する)
11包装(選別し、商品として包装。出荷)
それぞれの工程ごとにこだわりを持ちながら、より品質の良いエリンギィやえのき茸をお客様にお届けするべく日々作業にあたっています。
今回の極め人は、調整した培地を詰込み、培養瓶を殺菌する工程③④を担当する『小谷知紀(こだに とものり)』さんです。
平成10年10月に北村きのこ園に入社され、以来生産ラインで作業に携わって来られました。
「北村きのこ園に入社する前は、実はこたつを作っていて・・・。もともと作ったり作業したりするのは好きですね。」と静かに、そして少し照れ臭そうに話じめてくださいました。
入社してからは、生産ラインをぐるっと一巡し一通り生産工程を把握します。
そして、今のように詰込みや殺菌に携わるようになって約15年くらいだと言います。「最初は覚えることもたくさんあって苦労しましたが、覚えてしまってからはもう大丈夫!」この北村きのこ園を支える、なくてはならない社員さんです。
詰込み作業は、機械を使って行います。
その日の気候や温度の状態によって水分調整し、しっかり練り合わした原材料を瓶に詰め込んでいく作業です。
1つの嗅ぐに12本の栽培瓶が並んでいます。
12本の栽培瓶の中に、原材料を一気につめこんでいきます。
蓋も自動的に閉まる仕組みになっています。エリンギィとえのき茸では詰め込んでいく原材料の分量が違いますが、なんとエリンギィ1日に瓶詰めする数は合計1344カゴ。16128本分原材料を詰め込んでいきます。
詰め込んだものは、大きな圧力容器中に入れて、殺菌を施していきます。
体がすっぽりと入るくらいの大きな釜が合計3つ。この日は2台が稼働していました。
殺菌作業は、台車ごと栽培瓶を入れいき、湿度を上げながら真空状態にし、118℃で60分殺菌します。その後蒸らす作業を経て、温度をどんどん下げていきます。この温度を下げる作業に約5時間30分ほどかかります。よって、釜に入れる作業は午前中までに完了させる必要があるので、朝の作業は効率よく行わなければなりません。温度が十分下がったら、翌日おが菌を接種する作業になります。
「大変なことはないですが、夏場は気温が上がるのと同時に釜の温度が上がるので、しいて言うなら暑さが大変ですかね。」と。真空状態とはいえ、118℃まで上がると外気に多少影響も出てくるんですね。
現在は自動的に殺菌ができるようになっていますが、以前はタイマーで測りながらの作業だったとか。「昔は停電になった時が本当に大変で・・・・。特に夏場に停電することもあって。当時は大変でした。」と小谷さん。電気系統の故障や停電は予期せぬことなので、想像するだけでも大変さが伺えます。
北村きのこ園で、この資格を持っているのは小谷さんを含め四人。『若い人が取ってくれて嬉しい。』と北村社長も目を細めて喜んでいらっしゃいました。
休日にはドライブに出かけるのが好きだと話してくださった小谷さん。このコロナの影響もあって、最近遠出することができてないんだとか。今は釣りに出かけたり、DVD鑑賞を楽しみながら遠出しなくても楽しめることを見つけられたそうです。
家具づくりからきのこの生産へと仕事は変わっても、ものづくりに対する気持ちは変わらず「お客様に良いものを届けたい」その想いで日々業務に当たられています。「美味しく食べてもらえたら一番嬉しいです。」と、言葉少なに、はにかみながらにこやかに語ってくださった小谷さんの表情が最後までとても印象的でした。
北村きのこ園の職員が気持ちを込めて作っているエリンギィ。採れたてで歯ごたえのある朝どれのエリンギィは、八頭町の北村きのこ園でお買い求めいただけます。ぜひお近くにお越しの際は気軽にお立ち寄りください。