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きのこ通信

きのこ通信

シリーズ きのこ作りの『極め人』

2021-02-08
きのこづくりの『極め人』をご紹介
こんにちは。きのこ応援隊 隊長まえたです。

北村きのこ園のきのこづくりの生産工程とともに、生産に携わるスタッフを各分野ごとにクローズアップし、ご紹介する第5弾。

今回は菌かきを担当する大西郁子さんにお話を伺いました。
エリンギィができるまで
エリンギィはどうやってできるのか??まずは工程からご紹介しましょう。

北村きのこ園のエリンギィは約11の工程を経て市場へ出荷されます。

1 原材料(おがくず、ヌカ、ふすま、水)を混ぜる

2 調整(水分量をみながら撹拌)

3 詰込み(調整した培地を充填)

4 殺菌

5 接種(おがくず菌を加えていく)

6 培養(培養室で約35日ほどかけ菌糸を伸ばしていく)

7 菌かき(菌糸をいくつか取り除き、酸素を与える)

8 芽だし(湿度と室温が徹底されている部屋で成長させる)

9 発生(湿度と温度をかえ、さらに成長させる)

10収穫(選別して、一つ一つ手で収穫する)

11包装(選別し、商品として包装。出荷)

これまで1〜6までの工程の極め人をご紹介しましたが、どの工程もエリンギィ作りには欠かすことのできない重要な作業です。

今回は7『菌かき』についてです。

この菌かきの出来によって、エリンギィの成長が大きく左右する非常に大切な工程です。
きのこの神秘が詰まっている「菌かき」

今回のスペシャリストは大西郁子さん。

 

北村きのこ園の主力がえのき茸を生産している頃から勤務されている大西さん。

色々な部署も経験されましたが、主に菌かきを担当されるようになって20年近くなるそうです。

 

エリンギィは栽培瓶の中のふすまやぬかなど培地の栄養分を吸収しながら菌糸を伸長させ栄養成長していきます。

 

 

ただ、そのままにしておけば必然的に菌糸は弱ります。

菌糸は環境に応じながら成長していきます。

菌糸を一部取り除く作業をすることによって子孫を作らないといけないと認識し、子孫を確実に残すためにきのこをつくる行動に移ります。これが生殖成長です。

 

その生殖成長を手助けするのが「菌かき」の工程です。

菌糸に刺激(危機感)を加え、酸素を与えることにより成長を促していきます。

 

まさに『きのこの神秘』ですね。

 
 
菌かき工程

培養室で約35日間かけて菌糸を伸ばした栽培瓶がのったパレットを機械を使って1階へと移動させます。

 
 

 

 

 

その後、2種類の機械を使って菌かきをします。

 

1つは栽培瓶に穴を開ける機械。

もう一つは穴の空いた栽培瓶の口をブラシで綺麗にする機械の2種類です。

 

 

 

2つの機械で穴の空いた栽培瓶はコンベアで流れていき、最終的に大西さんたち人の手によりチェックされます。



 

 

耳かきのような形をした工具で、穴の周りに削りとった培地が残っていないか、残っていた場合は工具で取り除きます。

同時に栽培瓶全体をみて、菌糸が全体に行き渡っているかどうかも目視でチェックし、不良があれば取り除いていきます。

 

 
 
 
 
 
 

菌かきの機械の刃の形状によっても、菌かきをする深さ0.何㍉の差でもエリンギィの成長は大きく変わってくるので「菌かき」はきのこづくりの生命線ともいえる工程です。

 

菌かきしたばかりの栽培瓶は、非常にデリケートな状態です。雑菌が入る可能性もあるので慎重にそして手早く作業を行う必要があります。

 

北村社長曰く、この菌かきの研究を重ねることによって、生産量も変化してくる重要な場所であるとのこと。これまでの研究によって導き出した最良な刃の形、深さになるように機械も特別仕様なんだとか。

 

 

菌かきの作業は基本二人体制ですが、パレットを移動させたり、乗せたりなど機械を使っての作業もあるので基本男性も含め、五人1組のチーム編成です。

 

 
 
 
 
 

 

コンベアで流しながら作業を行いますが、途中機械に不具合が出て止まることがあります。

 

大西さんは、効率よく作業するために、機械やコンベアが止まらないようにチェックをしたり、機械が止まった場合は不具合のある場所に走っていって、復旧させたりと大忙し。

 

じっと立っての作業ばかりでなく、機械のチェックや、どのパレットに栽培瓶の不良があったかなどデータも集計しながら様々な作業を同時進行する姿はまさに神業です。データを記録することで、作業の見直しや効率化に繋がります。

日々の業務を丁寧にされている大西さん

実際に現場の様子も見せていただきましたが、菌かきを一緒に担当する木下さんとは阿吽の呼吸でお仕事されていて、息ぴったり。「刺激を受けながら仕事させてもらってます!」と笑顔でお話ししてくださいました。

 

ご自宅の畑では野菜を作って楽しんだり、音楽からも元気をもらっているとホッとくつろぐ時間も大切にされている大西さん。穏やかな口調で優しく話してくださる大西さんとの時間は本当にあっという間に過ぎていきました。

 

最後に、大西さんにおすすめエリンギィ料理をお尋ねしたところ、「炊き込みご飯」をあげてくださいました。一般的に炊き込みご飯の具材としてきのこの中ではしめじを入れられる方も多いと思いますが、北村きのこ園のエリンギィは非常に歯ごたえもあり食感が良いので、食べ応えがグッと増すそうです。エリンギィに味がしっかりとつくので旨味も増すそうです。

 

よろしければ皆様もお試しください。

 

 

さて、次回もエリンギィ作り『芽だし』についてお話を伺います。お楽しみに!

 
 
 

●北村きのこ園では、こだわりをもって「エリンギ」を「エリンギィ」と表記しています。

なぜ、「エリンギィ」なのか、こちらをご覧ください!!

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