きのこ通信
調理してみよう!Vol.12『しその実とエリンギィの佃煮』
爽やかな香りを放つシソ。
ハーブと呼ばれるものがたくさんある中、シソは和製ハーブの中でもポピュラーで、柚子・生姜・山椒などと同様に親しみのある香味野菜ではないでしょうか。
スーパーなどでは年中見かけるシソですが、赤じそは梅の季節(6〜8月)に、青じそは7〜10月にかけて美味しい時期を迎えます。
薬味や刺身のつまとして利用される青じそは添え物にしておくにはもったいないほど栄養価も高く、香りも良いもの。
ビタミン、ミネラル類が多く、特にカロテンとビタミンB2、カルシウムの量は野菜の中でもトップクラスに入るほど。
我が家では畑で栽培をしたり、庭のプランターに植え料理に活用をしています。
シソを購入する際は、シソは緑色が濃く、みずみずしいものを。
なるべくなら葉先までピンとしていて、葉や切り口などが変色していないものを選びましょう。
香り成分に高い抗酸化作用と防腐効果があることから、刺身などに添えることで食中毒の予防に利用されることも。
葉をしっかり刻むことで薬効がいっそう高まるといわれています。
夏をすぎるとシソは穂に小さな花をつけ始めます。
穂じそはシソの花穂(はなほ)。
刺身のあしらいとしてのせると品が加わり上品なイメージにも。
一輪挿しにさしてもおしゃれですね。
もちろん見るだけでなく薬味などに利用したり、天ぷらにして食べるのもおすすめです。
花が咲き終えると、茎の部分が少しずつ硬くなってぐんと伸びていきます。
茎が伸びてくると穂の中にゴマのような実が入ってきます。
その実がシソの実。
プチッとした食感が魅力です。
収穫できるうちに取り、塩漬けや醤油漬けを作っておくと日持ちもするのでおすすめです。
今回は、このしその実のプチッとした食感とエリンギィのコリッとした食感を生かすために芽とりエリンギィを使用し、甘めにたきあげ佃煮風に仕上げました。
<材料>
シソの実・芽とりエリンギィ・ちりめん
<調味料>醤油・みりん・日本酒・砂糖・ごま油
<作り方>
1 収穫した茎ごと汚れを取るためしっかり水洗いする
2 茎を親指と人差し指ではさみ、しごくように実をとる
3 そのまま食べるとえぐみを感じる人もいるので、アク抜きをする
我が家ではえぐみも美味しいので水に1時間晒すほどで特にアク抜きはしていないが、お湯にさっとくぐらせ、ざるにあげアク抜きをするのもOK
4 鍋にごま油を入れ、しその実と芽とりエリンギィを炒める
(シソの実のプチプチ感が生きるように、芽とりエリンギィは細かく刻んだ)
5 調味料を混ぜ合わせものを4に入れ、ちりめんと一緒に煮含める
6 好みで、鰹節や唐辛子、生姜を加えても美味しい
シソの実のプチプチした食感と芽とりエリンギィのコリコリしたクセになる食感、甘めに味付けしているのでご飯のお供に最適です。
炊き立ての白米に混ぜ込んで、おむすびにしてぜひ召し上がってみてください。北村きのこ園では、エリンギィのり佃煮と、実山椒が入ったエリンギィの佃煮を販売しています。
シソの実のプチプチ感を感じられるよう、今回は細かくエリンギィをカットしましたが、この両商品ともエリンギィの食感がしっかり感じられるようにエリンギィは大きくカットしてある佃煮になっています。
ECサイトからもお求めいただくことができますので、ぜひお試しください。
エリンギィは栽培瓶を使って成長させます。
エリンギィの菌糸を成長させていく過程で、一株にたくさんの芽ができます。
その芽を全て成長させると、栄養をそれぞれが奪い合うので、一つ一つのエリンギィが小さなものになります。
一つの栽培瓶の中から形や色を見ながら「芽」をいくつか間引くことによって、大きなエリンギィができ、びっくりエリンギィとして商品化されています。
その成長段階で芽を間引いたものが「芽とりエリンギィ」です。
なお、芽とりする量などはご注文いただくお取引先様のご要望(必要なエリンギィの大きさになるよう)に合わせて調整をしながら進めています。
「芽」をとったエリンギィは小さいですがとても生命力に溢れています。
ギュッと手で握るとグッと弾けるような弾力を感じられます。
きのこ特有の匂いもまだ少なく、食材として大変優れています。