きのこ通信
北村きのこ園の原点 えのき茸 その②
「極め人」でご紹介したエリンギィの行程とエノキ茸の行程は大変よく似ています。
しかし、似ているようで違うエノキ茸とエリンギィ。
いくつか細かい違いがありますのでご紹介します。
①原料の違い
エノキ茸の原材料は、おがくず・ヌカ・炭・水をしっかりと攪拌していきます。
エリンギィも同じ原料ですが、更に「ふすま」を栄養分として加えています。
エノキ茸には「ふすま」は入りません。
エノキ茸とエリンギィの原料の配合具合はそれぞれ違います。
更に空気の層を作るために、水分量も微妙に調整しながらエノキ茸は配合していきます。
②培養
原材料を詰込・殺菌した栽培瓶に菌糸を接種し培養室でしっかり菌糸を伸ばしていきますが、エノキ茸の培養の温度帯とエリンギィ培養の温度帯が違います。
約7~8℃エノキ茸の培養温度が低い状態で菌糸を成長させていきます。
更に培養日数もエノキ茸の方が5日〜8日ほど短いです。
③芽だしと芽切り
約30日かけ培養室で菌糸を成長させたエノキ茸の栽培瓶は、菌かきの行程で刺激を加えることにより生殖成長を促し、酸素を与えることにより成長を更に促していきます。
その後、エノキ茸は芽きり室と呼ばれる部屋で約10日間休ませることで成長をさせます。
エリンギィは芽だし室(発芽室)で約10日かけ成長を促していきます。
⑥生育室
紙巻きを終えたエノキ茸の栽培瓶は生育室で10日間じっくり成長させます。
エリンギィも生育室で同じように成長させますが、湿度と温度が抑制室同様違ってきます。
⑦*収穫
エノキ茸は収穫の際、紙巻きをしたものをとり、収穫をしていきます。
約2ヶ月かけて、エノキ茸は収穫され出荷を迎えます。
エノキ茸は収穫すると1株約240g近くあります。
包装は約100gなので、1株で2つの商品が出来上がります。
エリンギィは温度と湿度のバランスが重要な商品なので生産調整が難しく、365日毎日収穫をしていますが、エノキ茸は温度帯を低くすることによってゆっくり成長させることができるので生産調整もしやすいという違いもあります。
北村きのこ園は昭和40年、自宅の庭からスタートし、倉庫を改良しながら手探りでエノキ茸の生産をはじめました。
作り出した当初は評価されない時期もありましたが、安定したものができるようになりました。
現在収穫量はエリンギィが全体の9割と多くなりましたが、創業以来作り続け、現在も毎日70〜80カゴ収穫しています。
エノキ茸も販売しています。
北村きのこ園の店頭ではエリンギィだけでなくエノキ茸も直接お買い求めいただくことができます。
エノキ茸は食べやすいようにカットしたものを袋詰めし販売しております。
お値段110円。
量もたくさん入っていますので、お買い得です。
店頭で販売するエノキ茸はカットしてあるので、そのまま料理に使え大変便利です。
生のままでももちろん美味しいですが、保存袋などに入れて冷凍させておいてください。調理には凍ったまま使用することをお勧めします。
組織が壊れることでエノキに含まれる旨味成分がしみ出るため美味しさが増します。
お出汁のような効果もあります。
エリンギィに比べるとエノキ茸は日持ちする期間が少し短いので、天日干しで乾燥させると日持ちがする上に旨味も増しますので、ぜひお試しください。