きのこ通信
北村きのこ園 北村大司社長に聴く 2022年目指す取り組みとは
2022年北村きのこ園の目標を北村社長に伺いました。
まえた)あけましておめでとうございます。
新たな年を迎えましたが、今年はどのような一年にしていきたいとお考えですか?
社長)お取引いただいている企業様へ新年のご挨拶として年賀状をお送りし、今年北村きのこ園が目指していく指針を書かせていただきました。
『今年はおが粉で作った「木の子」の認知・「鮮度」を重視する取り組み・「循環」に関わる勉強に取り組んでいきます。』
まえた)「おが粉」「鮮度」「循環」の3つが大きな鍵になるということですね。
社長)北村きのこ園では、エリンギィやエノキ茸を生産していますが、これまでも農薬や化学肥料を使用しない「木の子づくり」を行ってきました。
さらに原材料にもこだわり、創業当初より国産杉のおが粉を使って生産しています。
全国的にみても原材料にコーンコブミールを使用する企業が大半の中、おが粉を使って木の子の生産をしているのは非常に稀です。
原材料を輸入に頼ることなく、国産のおが粉を使用しているという点もまだまだお客様に認知をされていないと感じます。
おが粉を使って配合をしていくことで、蒸れた匂いの少ない美味しい木の子ができているということ、何より原材料からも安心して北村きのこ園のキノコは食べられるということを今年はお一人でも多く知っていただけるよう取り組んでいきたいと考えています。
まえた)「鮮度」についてはいかがですか?
社長)きのこの中でもエリンギィは特に滞留させると鮮度が落ちやすいと感じています。
きのこは収穫し出荷された後も呼吸をしているので、店舗などに陳列されている際時間が経過すればするほどきのこ特有の匂いを発しているものが中にはあります。
北村きのこ園の木の子はおが粉を使っているので、もともと蒸れた匂いは少ないですが、鮮度にこだわって出荷していきます。
収穫して出荷までの時間をよりスピーディーに。
収穫から少しでも早くお客様の手に届くことによって、きのこを美味しく召し上がっていただけることに繋がるので変わらず取り組んでいきたいと考えています。
そして、お客様の顔の見える範囲で、求めていただける量の生産をしていくこと=作りすぎないことが食品ロスを無くしていくことに繋がると感じています。
今一度原点に立ち返りながら今年も進んでいこうと考えています。
まえた)出荷調整をしながら生産が行われると思いますが、余剰が出た場合はどうされますか?
社長)木の子は生鮮品として多くの方に食べていただきたいですが、どうしても出荷出来ず残るものも出てきます。
その場合は、鮮度の良いうちに乾燥や加工をしきのこを別の形で商品化していきたいと考えています。特に乾燥品は、きのこの細胞が破壊されやすく、それにより体にいい成分が取り込みやすくなるという乾燥ならではのメリットもあります。
SDG'sの観点からも環境にも配慮し、お客様にとって価値のあるものに変換していきます。
今後は地元企業にも協力を仰ぎ、商品化できるよう取り組んでいきたいと思っています。
楽しみにしていてください。
まえた)「循環」についてはいかがですか?
社長)ふすまや米ぬかなど、これまでも自然由来の原材料を使用しながら木の子を栽培してきました。
さらに、お引き合わせによって実現していますが、培地に竹(地元企業の商品)を加えることで生産期間も短縮され、質の良い木の子づくりができるようになりました。
山のめぐみ、田畑のめぐみ、雨や雪など自然のめぐみが北村きのこ園の木の子にはギュッと詰め込まれています。
せっかくの資源が廃棄されるのではなく、形をかえてきのこづくりに循環できないか自然由来のものにこだわりながら、今年も培地の研究を行っていきたいと思います。
大手さんでは中々できないようなことが、北村きのこ園だからこそできることがあるのではないかと思っています。
まえた)社内での取り組みの目標はありますか?
社長)これまで創立50周年・55周年と周年事業は行ってきましたが、1年に1度、経営発表大会を開き、社員みんなで共有する時間を設けていきたいと思っています。
現在、3つのテーマ「新商品・サービス開発」「内部環境整備・外部への発信力強化」「生産力の強化・品質の安定」を、1つのテーマに2グループずつ(計6グループ)にわかれ、それぞれのグループでワークショップを行っています。
グループごとに時間を見つけて話し合いの時間を設けながら現在議論を深めているところです。
意見が煮詰まることもグループによってはありますが、その時は間に入りそれぞれの想いを共有しながら今年も進めていきたいと思っています。
何より一人一人が「自分ごと」として物事を考え、取り組んでもらいたいと願っています。
約2年近くコロナの影響もあり、社員同士で交流をしたりという機会がこの数年はできていませんが、やはりコミュニケーションをとることは大切だとと実感しています。
とにかくみんなが元気で、ここで働いていて楽しいなぁと感じられるような環境づくり、精神面を含めてサポートしながら取り組んでいきたいと思っています。