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きのこ通信

きのこ通信

シリーズ きのこづくりの『極め人』

2020-12-18
きのこづくりの『極め人』をご紹介
12月に入り、どことなく気忙しく感じる日が多くなってきましたね。

きのこ応援隊 隊長まえたです。

このきのこ通信も8月にスタートし、はや5ヶ月。お読みいただきありがとうございます。

北村きのこ園のきのこづくり生産工程とともに携わるスタッフを各分野ごとにクローズアップし、ご紹介する第3弾。

今回は接種(せっしゅ)を担当する小川光子さんにお話を伺いました。
エリンギィができるまで
エリンギィはどうやってできるのか、まずは全体の工程をご紹介していきましょう。

北村きのこ園のエリンギィは約11の工程を経て市場へ出荷されます。

1 原材料(おがくず、ヌカ、ふすま、水)を混ぜる

2 調整(水分量をみながら撹拌)

3 詰込み(調整した培地を充填)

4 殺菌

5 接種(おがくず菌を加えていく)

6 培養(培養室で約35日ほどかけ菌糸を伸ばしていく)

7 菌かき(菌糸をいくつか取り除き、酸素を与える)

8 芽だし(湿度と室温が徹底されている部屋で成長させる)

9 発生(湿度と温度をかえ、さらに成長させる)

10収穫(選別して、一つ一つ手で収穫する)

11包装(選別し、商品として包装。出荷)

これまで、1〜4の工程の極め人をご紹介してきました。

工程ごとにこだわりや注意すべき点がたくさんあり、より品質の良いきのこをお客様にお届けするべく日々作業にあたっています。
菌を植え付けていく大切な作業「接種」
今回のスペシャリストは接種(せっしゅ)を担当されている小川光子さん。

お子さんが小さなうちは子育てをされていたので、しばらく仕事はされていなかったそうですが、働いてみないかとお声がかかり、縁あって北村きのこ園に勤務されることに。

「北村きのこ園での勤務はもう25年くらいになるでしょうか・・・・」と当時のことを懐かしそうに語り出してくださいました。

小川さんが接種という工程を担当するようになって来年で20年になるそうです。

この接種は植菌(しょっきん)とも言われ、エリンギィの菌を植え付ける大切な作業になります。

エリンギィは、原材料を気候や湿度なども踏まえながら調整し、栽培瓶に詰め込みます。その原材料が入った栽培瓶は大型圧力釜に入れ、高温で殺菌をしていきます。殺菌された栽培瓶は、熱を持っているのですぐに菌を植え付けていくことはできず、時間をかけて冷やす必要があります。

北村きのこ園では、接種室といわれる部屋をあらかじめ冷却しておき、釜から取り出した栽培瓶を夕方から翌日の朝まで約一晩かけて熱をとる作業をしていきます。

 

えのきは18℃、エリンギィは23℃以上あると菌を植えることができないそうで、扇風機やファンを入れて殺菌灯をつけしっかりと冷却させます。

 

接種する時にも雑菌が入らないようにしてある部屋なので、冷却するには適していますよね。

季節を問わず温度管理は非常に重要になります。

 

接種室に入る前には、雑菌を混入させないよう必ずクリーンルームに入ります。

 

 

私も小川さんに案内してもらい体験しましたが、かなりの風圧でした。

初めて経験、不思議と清々しい気持ちにもなります。

靴もしっかりと消毒をし、いざ接種室へ。

 

栽培瓶を冷やす準備がすでに整っており、部屋全体がひんやりした空気に包まれていました。

 

作業には、専用の制服を着用して望みます。

栽培瓶がセットされている台車は、かなりの重さがあるので体力はもちろん使います。

 

 

接種は5人でグループを組み、2名が作業にあたります。

菌も厳選し、質の良いものを機械にセットし植え付けていきます。

 

 

昔は手作業でされていたことも機械化され効率良くできるようになっていますが、最後はやはり人の目で確認をする必要があり、目視でチェックしていきます。

 

 

接種の作業は、基本的に午前中で完了させ、午後は他の製造工程をお手伝いされているそうです。

 

小川さんの行う接種という作業は、雑菌が入らないようにしなければならないので非常に細やかな配慮が必要とされる工程です。些細なことですが、その細やかな積み重ねが北村きのこ園の美味しいきのこの秘訣なのかもしれません。

北村きのこ園の事務所前は、いつも綺麗なお花で彩られています。

 

12月に入り、キラキラの電飾も加わり、より華やかな雰囲気に。

事務所のドアを開ける際には皆さんが必ず目にされているはずです。

 

実は小川さん、北村きのこ園の『花係り』も務めていらっしゃいます。

「自宅でも以前から野菜や米を作ったり、花を育てたりしているたので、声がかかったのでやらせてもらっています」と。

 

もともと、手芸もお好きだった小川さん。

 

 

お子さんが小さな頃は洋服をよく作られていたそうですが、最近は手芸をする機会も少なくなったんだそう。

「しかし、今年はコロナの影響で久々にマスクを手作りしました。それがとても楽しくて・・・」と。

優しく包み込むように話してくださる小川さんの温かいお人柄も伝わってくる時間。

 

事務所前のお花選びや手入れの仕方、お仕事にも通じているなぁと実感しました。

 

ぜひ、北村きのこ園にお越しの際は、事務所前のプランターもご覧くださいね。

 

 

最後に、小川さんに一言いただきました。

 

「北村きのこ園のきのこは食べ応えがあるので、我が家では炒めものや、鍋に加え食感を感じながら食べています。インフルエンザやコロナなど心配な期間が続きます。きのこをしっかり食べて免疫力を高めながら元気に毎日過ごしていただいたい思います。」

 

さて、次回は『培養』についてお話を伺います。お楽しみに!


●北村きのこ園では、こだわりをもって「エリンギ」を「エリンギィ」と表記しています。なぜ、「エリンギィ」なのか、こちらをご覧ください!! 

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