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きのこ通信

きのこ通信

きのこづくりの『極め人』をご紹介

2021-01-13
『極め人』 北村きのこ園の歴史とともに
こんにちは。きのこ応援隊 隊長まえたです。

北村きのこ園のきのこづくりの生産工程とともに、生産に携わるスタッフを各分野ごとにクローズアップし、ご紹介するシリーズ第4弾。

今回は培養(ばいよう)を担当する浦林清一さんにお話を伺います。
エリンギィができるまで
エリンギィはどうやってできるのかまずは工程からご紹介します。
北村きのこ園のエリンギィは約11の工程を経て市場へ出荷されます。
これまで1〜5までの工程の極め人をご紹介しました。

1 原材料(おがくず、ヌカ、ふすま、水)を混ぜる
2 調整(水分量をみながら撹拌)
3 詰込み(調整した培地を充填)
4 殺菌
5 接種(おがくず菌を加えていく)
6 培養(培養室で約35日ほどかけ菌糸を伸ばしていく)
7 菌かき(菌糸をいくつか取り除き、酸素を与える)
8 芽だし(湿度と室温が徹底されている部屋で成長させる)
9 発生(湿度と温度をかえ、さらに成長させる)
10収穫(選別して、一つ一つ手で収穫する)
11包装(選別し、商品として包装。出荷)

今回は6『培養』についてです。
エリンギィを出荷するまでの工程で丁度中間地点。
この培養でじっくりと菌糸を成長させ、品質の良いエリンギィにしていくためにも大変重要なポイントになります。

今回のスペシャリストは浦林清一さん。北村きのこ園の中で勤務年数が一番長いのが浦林さん。えのき茸だけを生産している頃からなので勤続45年くらいになるんだそう。まさに北村きのこ園の歴史と共に歩んでこられた方です。
北村きのこ園でエリンギィの栽培試験を始めたのが平成9年。

その後本格的に取り組むようになり、北村きのこ園のエリンギィ作りのベースを築いてこられたお一人でもあります。

昔は、機械が壊れたり調子が良くなかったりした場合、部品をメーカーから取り寄せるにしても時間がかかったり、すぐに対応してもらえないこともあったので、自分たちで機械の部品を集めてきて必要なものを作り、なんとか効率よく仕事ができるようにと考えながら作業をされていたんだとか。とはいえ、昔の機械は今に比べるとシンプルなもので、人の手作業が大半。

出荷できる量も今に比べるとぐっと少なかったそうです。
エリンギィの培養とは

高温で殺菌した培養瓶は一晩しっかり冷却し、翌日菌を植え付けていく作業(接種)が行われます。接種された培養瓶はラインに流し、パレットに積み上げていきます。北村きのこ園の培養室は工場の2階にあるので、パレットごと釣り上げていきます。


培養室は、きのこの成長に最適な温度に設定されています。一年を通じて大きく変化はしないそうです。夏場は涼しくて快適な温度でしたし、12月末の取材当日は最高気温も10度前後だったので、培養室に入ると温かく感じるほどでした。湿度が保たれているぶん温かく感じたのかもしれません。冬場は入り口近くは特に温度差が出やすいので気を配っているそうです。湿度も高すぎると雑菌の繁殖にも繋がるので、温度と湿度の管理も菌糸の成長には大変重要です。



私の見た感覚では培養室の広さは、25mプールがすっぽり入るくらい。

 


 

その広い培養室の中ホイストを操作しながらパレットを移動させます。培養瓶はこの培養室の中で約35日ほど置かれ、菌糸を伸ばしていきます。菌糸が伸び始める(12・13日たった)頃、菌糸が熱を発するようになるので、熱を持ったものが重ならないようにパレットをバランスをみながら移動させるそうです。どう移動させていくかも長年培った感覚が必要になりますね。

 


仕事はチームプレー

北村きのこ園の生産課長を務め、現在は顧問としてもアドバイスをされている浦林さん。

培養部門は三人でローテーションを組みながら作業にあたられています。

 

「一番長く勤務していますが、一緒に働いている北村さんと話していると、僕も頑張ろうとエネルギーをもらっているんです。」と話してくださいました。

 

その方は北村昌吉さん83歳。

 

前職を定年後フォークリフトの資格をとり、北村きのこ園へ入社されました。

「培養の部門を一緒に仕事をしてもらっていて、なくてはならない存在。とても頼りにしているんですよ」と浦林さんはお話くださいました。

取材日も寒かったですが、元気に北村さん作業をしていらっしゃいました。


私の質問一つ一つ丁寧に答えてくださった浦林さん。

 

写真を撮ることがお好きで、日常で感じる自然の様子や出かけた先の風景を撮影したり、祭りの写真をこれまで撮ったりされていたそう。

しかし、コロナウィルスの影響で最近は出かけることを控えられているので撮影の機会は減っているんだとか。「カバンの中にはカメラが入っていて、気になった時にはいつでもシャッターを押せるように準備しています」と浦林さん。

写真は何気ない瞬間やその時心に感じたものが写しだされていると私は感じています。

穏やかで優しい口調で話してくださる浦林さんのお人柄が、きっと撮影された写真にも表現されているのでは・・・と勝手に推測してしまいました。

いつか撮影された写真もご紹介できる日が来ることを願って。

 

さて、次回もエリンギィ作りに重要な『菌かき』についてお話を伺います。お楽しみに!

●北村きのこ園では、こだわりをもって「エリンギ」を「エリンギィ」と表記しています。なぜ、「エリンギィ」なのか、こちらをご覧ください!! 

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